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今日は私のお弁当当番の日だったので、早めに起きてお弁当の準備。 二人分のお弁当箱に、作ったおかずを順番に詰めていく。 今日のおかずは、お姉ちゃんの大好物のプチオムレツ。 といっても、大好物っていうのは私の勝手な思い込みなんだけどね。 本当は、お姉ちゃんは、私の作った料理なら何でも「おいしい」と言って食べてくれる。 私はそれがとっても嬉しい。 本当なら、私が毎日作ってあげてもいいくらい。 でも、毎朝早起きしてお弁当を作るのはやっぱりつらいかも。 う~ん、どっちだろ・・・? そんなお姉ちゃんが、今朝は何故かなかなか起きてこない。 どうしたのかな? 勉強のしすぎで疲れちゃったのかな? 「つかさー。ちょっと、かがみ起こしてきてくれる?」 お母さんに頼まれて、私はお姉ちゃんの部屋に向かう。 私がお姉ちゃんを起こしに行くなんて、なんか変な感じ。 これって、天変地異の前触れっていうのかな? お空からバルサミコスー、な予感。 「おねえちゃーん、入るよー」 お姉ちゃんの部屋のドアの前に立ってお姉ちゃんに呼びかける。 ・・・。 返事がない。 まだ寝てるのかな? 私はゆっくりドアを開ける。 ・・・あれ?いない? 部屋の中を見渡してみたけど、お姉ちゃんの姿が見当たらない。 ベッドにもいないみたい。 念のため、布団の中を確かめてみようと思って、私はベッドに近づく。 「ダメ!」 「え・・・?」 どこからかお姉ちゃんの声が聞こえる。 私はもう一度部屋をぐるりと見渡してみるけど、やっぱりお姉ちゃんの姿は見えない。 「お姉ちゃん、どこー?」 「来ちゃダメー!」 「お姉ちゃん?」 どうやら、お姉ちゃんの声はベッドから聞こえてくるみたい。 でもどうして、来ちゃダメなんだろう・・・? 私はベッドの上の布団を手に取り、そっとゆっくりめくった。 そこにあったのは・・・。 「パジャマ?」 ・・・脱ぎ捨てられたお姉ちゃんのパジャマだった。 お姉ちゃんはそこにはいなかった。 おかしいな、確かにここから声が聞こえたはずなんだけど・・・。 しばらくそのパジャマを眺めていると、突然、パジャマの胸の中で何かがガサゴソッと動いた。 「いやあぁぁ!ね、ネズミ!?」 私はびっくりして思わず悲鳴を上げた。 「ちょっと待て。誰がネズミだ」 またお姉ちゃんの声。 やっぱりベッドの上から聞こえてくる。 「いい?つかさ。これから何を見ても驚かないって約束できる?」 「う、うん・・・」 訳が分からなかったので、とりあえず返事をする。 すると、パジャマの胸の辺りにあった膨らみが右袖に向かってガサゴソと動いて・・・。 何かが袖口からひょこっと顔を出した。 その顔は・・・。 「お姉ちゃん・・・?」 お姉ちゃんだった。私は袖から出てきたお姉ちゃんを黙ったままじっと見つめる。 お姉ちゃんもじっとこっちを見てる。 えっと、黙りこんじゃったのは、何が起きているのか分からなくて、頭が混乱しちゃったからで・・・。 で・・・。 状況把握。 ・・・!! ・・・!!!! 「お姉ちゃんが、ちっちゃくなってる!!??」 また声を上げちゃった。 「やっぱり無理だったか・・・」 お姉ちゃんがボソッと呟く。 驚くな、なんて言われても無理に決まってるよ・・・。 「お、お姉ちゃん。どうしちゃったの!?」 「どうしちゃったの?って訊かれても・・・。目が覚めたらなんか、こうなってて・・・」 「ほ、ほんとうにお姉ちゃん?」 「ほ、本当よ。間違いなく本当の私よ。・・・たぶん」 「そっか」 お姉ちゃんは少し混乱しているみたい。 私もまだ混乱しているけど。 「ど、どうしよう・・・」 「うーん・・・。と、とりあえず、何か着る物が欲しいわね」 よく見るとお姉ちゃんは裸で、ちょっと寒そうにしている。 どうやら、着ていたパジャマまでは一緒に小さくなってはくれなかったみたい。 「着る物って言わ・・・」 そう言いかけたとき、ピコーンと頭の中で何かが光った。 そうだ、いいこと思いついちゃった! 「何なの、これ?」 私が手渡したお洋服を着終えたお姉ちゃんが尋ねてくる。 「白のワンピースだよ」 「見れば分かるわよ。何で今の私のサイズにぴったりの服があるのかって訊いてるの」 「えっとね、昔ね、お人形さんで遊んでいた頃にね、お母さんに頼んで、着せ替え用のお洋服を作ってもらったことがあったの」 「それが、この服?」 「うん。でも良かったー。大事にとっておいて」 「それにしても・・・」 「ん?なあに?」 「・・・下着まで作ってあるとは・・・凝ってるわね」 「履き心地、悪くない?」 「こんな状況で、贅沢も言ってられないわよ。今日はこれで我慢するわ」 「うん、ごめんね。そんなのしか見つからなくて」 小さなワンピースを身にまとったお姉ちゃんがベッドの上にちょこんと立っている。 私はその姿を見てお姉ちゃんのサイズを再確認。 お姉ちゃんは、ちょうど携帯電話を広げたとき位のサイズまで縮んでしまっていた。 でも、頭身は小さくなる前のまま。 まるで、本当のお人形さんみたい。 お姉ちゃんは落ち着かないのか、時折スカート部分を掴んで左右に揺らしたり、バタバタとその場で足踏みをしたりする。 「お姉ちゃん」 「ん?何?」 「・・・かわいい」 「んなっ!?」 「その服、すごく似合ってるよ」 「まったく、からかわないでよ。人の気も知らないで!」 お姉ちゃんの顔が赤くなっちゃった。 やっぱり本物のお姉ちゃんだ。 お姉ちゃんが学校に行くと言い出した。 私は危ないからやめた方がいいって言ったんだけど、勉強で遅れをとるわけにはいかないって・・・。 こんな状況なのに、たくましすぎるよお姉ちゃん・・・。 それから、家族にはこのことは内緒にしておくことにした。 私は、お姉ちゃんの指示に従い、お姉ちゃんの靴と制服と鞄をクローゼットに隠してから、お母さんに 「お姉ちゃんは友達に電話で呼び出されて先に学校に行っちゃった」 と告げた。 嘘、うまく言えたかな・・・?怪しまれてないかな・・・?よし、大丈夫。 支度を整えてからお姉ちゃんの部屋に戻ると、お姉ちゃんがベッドの上から覗き込むように床を見ていた。 あ、そっか、降りられないのか。そうだよね、高すぎるよね。 「お姉ちゃん、危ないよ」 私は両手をそっとお姉ちゃんの前に差し出す。 するとお姉ちゃんは恐る恐る足を私の手の上に乗せる。 うぅ・・・足ちっちゃいよぅ・・・かわいいよぅ・・・。 「ありがと、つかさ」 「ふぇっ!?」 「ど、どうしたのよ?」 「あ、ううん。何でもない」 「しっかりしてよね。今はあんただけが頼りなんだから」 「う、うん、大丈夫だよ!お姉ちゃんは私が守るから!だから安心してね」 「お、頼もしいわねえ。じゃあとりあえず、私を鞄の中に入れてくれる?」 私は手に乗せたお姉ちゃんを慎重に鞄まで運ぶ。 お姉ちゃんは、バランスを崩さないように、私の両手の親指を一生懸命掴んでいる。 うぅ・・・手もちっちゃいよぅ・・・。 そしてお姉ちゃんは鞄の中へ・・・。 うわっ、本当に入っちゃった。 このままだと何だか可哀想な気がするので、私はタンスから厚手のハンカチを探してきて、それをお姉ちゃんに手渡した。 お姉ちゃんはハンカチを受け取ると、それをクルリと体に巻いて、私に向かってニコッと微笑んだ。 わーぉ。 「じゃあ、出発しますか」 「うん」 「つかさ」 「うん?」 「あまり揺らさないでね」 「うん」 「それから、くれぐれも鞄、落とさないようにね」 「うん」 「それから・・・」 「お姉ちゃん」 「なに?」 「私って、そんなに頼りないかなぁ・・・?」 「うーん・・・。まあ、何と言うか・・・そうね」 さっきは頼もしいって言ってくれたのに・・・。 「冗談よ。頼りにしてるから。さ、出発しましょ」 「・・・うん!」 お姉ちゃんは、自分で学校に行くなんて言い出したけど、心の中はきっと不安でいっぱいなんだ。 だから、私がしっかりしなくちゃ。 「じゃあ行こっ、お姉ちゃん!」 私は鞄を持って部屋を飛び出す。 「つかさストーップ!」 「な、なに!?」 「・・・世界史の教科書が入ってないわよ。今日授業あったわよね?」 「はうぅ・・・」 ・・・いきなりやっちゃった。 というか、何でお姉ちゃんが私のクラスの時間割を把握しているんだろう? 「まったく、幸先悪いわねえ・・・」 ちまこんお姉ちゃん(画像) コメントフォーム 名前 コメント 続きぷり~ず!です。 とりあえず、こなたに いじられる所まで… -- 名無しさん (2011-05-01 00 45 49) バスサミコ酢ーで、おもちうにょーんで、どんだけーで、でもそんなの関係ねぇ!だね!← -- 名無しさん (2010-08-24 22 12 36) うわー、欲しいいいいいいい!! -- 名無しさん (2010-08-15 11 35 07)
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このSSは『【けいおん!】唯×憂スレ』というスレに投下されたものです http //changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1252737307/l50 308 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/28(月) 03 30 37 ID k1x1aAeX 憂「ねぇ、お姉ちゃん」 唯「なあに憂?」 憂「私ね?お姉ちゃんのこと大好き」 唯「うん、私も憂のこと大好きだよ」 憂「ホントに?」 唯「ホントだよ?私、世界一憂のことが好き!」 憂「梓ちゃんや律さんたちよりも?」 唯「みんなのことも大好きだけど…憂は特別、かな」 憂「えへへ、ありがとうお姉ちゃん…あのさ、一つお願いがあるんだけど…」 唯「お願い?」 憂「お姉ちゃん…私の、私だけのものになって?」 唯「え?」 憂「わがままだってわかってる。 いつかお姉ちゃんも誰か男の人を好きになって、お付き合いして、結婚するんだよね。 その邪魔は私にはできないし、しちゃいけない…けど」 唯「……」 憂「せめて形だけでも、嘘でもいいから…今だけでもいいから、私だけを好きでいて?」 唯「……」 憂「ごめんお姉ちゃん、私バカなこと言っちゃった…もう寝るね?おやす…」 ギュッ… 憂「……!」 309 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/09/28(月) 03 39 05 ID k1x1aAeX 唯「憂…私は最初から、憂だけのお姉ちゃんだよ?」 憂「お…おね…」 唯「だから…憂が甘えたい時はいつでも私に甘えていいんだよ?」 憂「お姉ちゃん…」 唯「私家事とかできないけど、それくらいは頑張れるから」 憂「うん…」 唯「だって私、憂のこと大好きだから」 憂「……!お姉ちゃん…」 唯「憂、もう一回、好きって言ってくれる?」 憂「そ、そんな…二回も言うの恥ずかしいよ…」 唯「言ってくれないんだぁ…」 憂「わ、わかったよ!私も、大好きだよお姉ちゃん!」 唯「えへへ、ありがと…ねぇ憂?」 憂「なに?」 唯「……チュー、してもいい?」 憂「……うん、しようか」 唯「ホントにありがとうね、憂♪」 憂「うん、こちらこ…っ…!」 チュッ… ――私のファーストキスの味は、とても柔らかくて、甘くて…幸せな味がしました。 ありがとう、お姉ちゃん。私は一生、お姉ちゃんのことを好きでい続けるからね。 END すばらしい作品をありがとう
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734 大胆なお姉ちゃん [sage] 2010/04/10(土) 23 59 39 ID r8Er6YSoO こんにちは、平沢憂です。 最近ED衣装のお姉ちゃんがとても大人っぽいと話題を呼んでいます。 私としては当然嬉しいですが、実はその衣装にはとんでもない秘密があるのです… 憂「あれお姉ちゃん、今日は帰り早いんだね?」 唯「うん、一刻も早く憂に会いたかったからね」 憂「え?な、なに言ってるの?ていうかなんで衣装着て…きゃ」 お姉ちゃんはいきなり私を抱きしめると、耳元でそっと囁いた。 唯「憂は今日もかわいいね。そのポニテも大きな瞳も、柔らかそうな唇も大好きだよ。食べちゃいたいくらい」 憂「な、なっ!?」 唯「私、今日一日憂のことしか考えられなかったんだ。憂の笑顔が見たくて、声が聞きたくて…辛かったよ」 憂「お、お姉ちゃん!?さっきからどうしたの!?」 唯「憂、私もう我慢できない…食べてもいいよね?」 憂「ちょ、ちょ…だ、だめ…」 唯「ふふ、大好きだよ憂…たっぷり可愛がってあげるからね」 そして流し目のお姉ちゃんは私の制服のタイをほどくと、ゆっくりとブラウスのボタンを外したのです… そう、あの衣装はお姉ちゃんを大胆にさせるのです!もう最高です!
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303 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/09/28(月) 00 43 27 ID eWrwQy7o 憂「お姉ちゃん」 唯「……」 憂「お姉ちゃんってば」 唯「んぅ~」 寝ていらっしゃる。 完膚なきまでに寝ていらっしゃる。 『そんなところで寝てると風邪ひくよー?』 そう口にするよりも早く、私は動いていた。 ぷにっ 唯「ん、んぅ~……」 やわらかいほっぺた。 この幸せそうな表情。 見ているこっちが幸せになってしまう。 可愛いなぁ、もう。 ぷにっ 唯「んぅ~、そこはダメだよ、うい~……」 憂「!!」 そ、そんなことを言われてしまうと ぷにっ 尚更やめたくなくなってしまう ぷにっ ああ、病み付きになってしまいそう ぷにっ 唯「……ハッ!?」 ぷにっ 唯「ごめん、寝ちゃってふぁ」ぷにっ 起きたことにも気付かずに、ぷにぷにし続けていた為、 お姉ちゃんの台詞の語尾が可愛らしくなった。 304 名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2009/09/28(月) 00 44 52 ID eWrwQy7o 憂「あ、ごめんお姉ちゃん、起こしちゃった……というか起こそうとしてたんだけど」 唯「……」 寝ぼけ眼のお姉ちゃんと、少しの間見つめ合う。 ああ、寝起きのお姉ちゃんも可愛ら――「ひゃん!?」 唯「ふふふ、お返し~」 とっても嬉しそうな表情で、私の両腋に手を滑り込ませているお姉ちゃん。 唯「もう一回言って」 憂「……」 唯「ひゃん!?だって、もう、憂はかわいいなぁ」 憂「ふふ、お姉ちゃん」 唯「なに?」 憂「こちょこちょこうげきぃ!」 唯「きゃあっ!……っ、あはははっ、ちょっ、うい、すとっ、あはははっ!!」 少しだけ体重を乗せて、お姉ちゃんを組み敷く。 元々寝ていた体勢なのだ。 ポジション的に見て、どう考えたって私の方が有利である。 しかし、お姉ちゃんもまた簡単には諦めない。 くすぐり攻撃を受けながらも、その両手は私の腋、そして脇腹を攻める。 憂「くっ、あはははっ!!わ、私を本気にさせたなー!?」 唯「あはははっ、ひっ!?う、うい、胸はダメっ!!」 憂「胸じゃない、腋!」 唯「腋!?」 ――今日もまた、私とお姉ちゃんの幸せな夜が更けていくのでした。
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ある日のことだ。 SOS団の面子全員が俺の家で遊びまくっていたその一日、俺は籤引きにより長門を家に送っていくことになった。 「……わたしはあなた達が羨ましい」 歩く間中無言だった長門は、別れ際に唐突にそんなことを言い出した。 「は?」 長門に羨ましいと思われる心当たりなど一つも無いし、複数形だというのが余計に謎を深める。はて、あなた達とは俺と誰のことだ? 「あなたとあなたの妹」 「妹?」 「そう」 「何で妹、いや、俺と妹なんだ?」 「……兄弟姉妹といった人間同士の関係は、わたしには縁が無いもの」 長門は淡々と、しかしどこか寂しげな様子を纏いつつ答える。 そういや、長門は宇宙人製ヒューマノイドだからな。 「あー……」 さて、どう答えたものか。 長門が俺を羨ましがっているのは分かるんだが、俺はこういう時に有効に回答するスキルを持っていない。 俺の知り合いには天涯孤独なんて奴は居ないし、そういうことを俺に向って訴えてくるような奴も居ない。 「わたしはあなた達が羨ましい」 長門はもう一度同じ言葉を繰り返した。 「……なあ、長門。お前にもお前の同類ってのは居るんだよな?」 俺の頭の中にナイフを持った女と生徒会書記の先輩の顔が過ぎっていく。 前者は名前を出しても大丈夫だろうが現在はもう地上に存在しない上俺が積極的に名前を出すことに躊躇いが有り、後者は長門の前で名前を出して良いかどうかが分からない。 「居る」 「そういう人たちは、親戚みたいな物なんじゃないか? ええっと、同じ親……、っていうのか、同じ存在に作られた者同士なんだし」 「……」 「そりゃあ、人間の血縁関係とは違うんだろうが……」 何言っているんだろうなあ、俺。 こういう時は何でも言いくるめられる古泉や何でも勢いのまま丸め込んでいけるハルヒが羨ましいよ。 「そう、わたしたちは人間でいう血縁関係という概念を持たない」 「……」 「でも、」 「でも?」 「……あなたの考え方は気に入った。情報統合思念体に申請してみる」 ああ、そうか、気にいってもらえて良かったよ。 しかし、申請って何だ? どこかの原子力を積んだロボットよろしく他のヒューマノイドを家族として作ってみるとかか? 俺はその辺りのことを長門に訊ねたかったが、長門はあっという間にマンションに入っていってしまったので、俺は何も訊くことが出来なかった。 ふむ、一体なんだろうね。 まあ、今更いきなり長門の家族なるものが出てきた程度で、たいしたことはなさそうだが。 俺が認識の甘さを悟ったのは翌朝のことである。 通学路の坂道でハルヒと古泉に出会った俺は、くだらない話をしつつ三人で坂を登っていた。 ハルヒが比較的早足で俺と古泉も一応それに合わせているので、俺達はどんどん他の生徒たちを追い抜いていく。朝から元気な団体だとでも思われてそうだ。 「あら有希じゃない、おはよう」 先頭を行くハルヒが、長門の姿を見つける。 「あら、その人は……」 小柄なショートカット娘の隣にいる人物を見つけたハルヒの目が、大きく見開かれる。 そこに立っていたのは、喜緑江美里さんだった。 喜緑さんは長門の同類だが、事情を知らないハルヒから見れば憎き生徒会の手先その1くらいの存在だろう。 何故喜緑さんが長門と一緒に登校してるんだ? という俺の些細な疑問は、次の長門の爆弾発言によって解決……、したかどうかは分からないが、一応答えには近づいたらしい。 「あ、おはようございます皆さん」 「何であなたが有希と一緒なのよ」 「ああ、それは、」 喜緑さんが言う前に、遮るように長門が言った。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 ……。 ……。 ……Why? いや、この場合の疑問符はWhyではなく……、という問題じゃなくてだな。 長門、お前今何を言った。 喜緑さんが……、長門の、姉? 面食らう俺、ハルヒ、古泉。おお、さすがに古泉でもびっくりか! そりゃあそうだよな、いきなりお姉ちゃんだもんな、俺もびっくりだよ。 何となく事情のからくりが理解できないことも無さそうな俺や古泉がこうなんだ、ハルヒなんてもう言うまでも無いだろう。 「どどどどどど……、どういうことーっ?」 ハルヒ、動揺しすぎだ。 いや、俺だってお前の気持ちは分からなくも無いが……。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 長門、それじゃ何の回答にもなってないぞ。 「お、お姉ちゃんって、お姉ちゃんって……、ちょ、ちょっと待ってよ。だって今まで、そんな素振りを一切見せなかったじゃない!!」 そりゃそうだ。多分昨日までは姉妹じゃなかっただろうからな。 俺は昨日の長門との会話を思い出す。きっかけは絶対あれだろう……。 しかし長門よ、だからっていきなり翌日から喜緑さんと姉妹になること無いじゃないか。 おかげでハルヒが大混乱状態だぞ。 「昨日までは言えない事情が有った。でも、事情が変わって今日からは言っても大丈夫になった」 「そ、そう……」 まてハルヒ、お前それで納得するのか! 苗字だって違うのに……、いや、それが『事情』って風に解釈したのか? 「そう」 「そう……、そういうことなのね。良かったわね、有希、お姉ちゃんと仲良くするのよ!」 「……」 長門が無言で首肯し、喜緑さんが笑う。 うーん、外見も雰囲気もちっとも似て無い気がするんだが、悪い組み合わせでは無さそうな気はするな。 しかし長門が喜緑さんの妹か……、良いのか、これで? 「良いんじゃないですか、別に」 放課後、まだ俺と古泉しか居ない部室で古泉にこの話題を振ってみたら、やたらあっさりと切り替えされた。 「お前なあ……」 「今のところ何の問題も起きていませんし、これからも特に困ることは無いでしょうからね。別に世界が改変されたわけでも無いようですし」 「記憶操作とかも無しってことか?」 「ええ、その必要は無かったでしょうからね」 「どういうことだ?」 「こんなのは、長門さんと喜緑さんの戸籍をちょっと書き換えればすむことなんですよ。それが学校に提出する必要が無い範囲の部分であれば、学校にある記録に手をつける必要すらありません」 「ふむ……」 古泉は多分、その長門や喜緑さんの戸籍上の情報とやらをある程度把握しているんだろう。 俺にはそういうことはさっぱりだし別に取り立てて知りたいとも思わないが、古泉の言っている理屈は分からないことも無い。 「ここからは仮定の話になりますが、正直な所、こういうことは非合法な手段や超常的な手段を全く使わなくても出来ないことはないですからね」 「……結婚とか離婚とか、養子縁組とかか?」 「そういうことです」 なるほどな。 結局の所俺は長門がどんな手段を取ったか全く持って知りようが無かったわけだが、古泉の解説を聞いて何となく納得できたような気はした。 古泉が楽観的なのは、この辺りのカラクリが分かっているから何だろう。 「しかしだな、喜緑さんは生徒会の書記だぞ? そんな立場の人が長門の姉で良いのか?」 「特に問題は無いでしょう」 「生徒会は敵キャラ設定じゃなかったのか?」 「敵味方に分かれた姉妹だなんて、話を盛り上げるのに良いじゃないですか」 「あのなあ……」 「多分、涼宮さんもそう思ってくれると思いますよ」 ……まあ、俺もそんな気がするけどさ。 しかしこれで良いのか? いきなり姉だ妹だって……。別に何も悪いことはおきてないけどさ。 「やっほー、おまたせえ」 そのとき、扉がでかい音を立てて開いた。 立っているのは声の主のハルヒ、それに長門、そして何故か喜緑さん……、いや、長門のお姉さんか。 「二年の教室まで行っていたら手間取っちゃってさあ」 ハルヒは悪びれもせずそんなことを言う。 喜緑さんは相変わらずの穏やかな笑顔のまま空いている席につき、長門がお茶を淹れに行く。 うーん、不思議な光景だ……。 「はい、お姉ちゃん」 「ありがとう、有希ちゃん」 うお、有希ちゃんと来たか! 長門は俺達にもお茶を配ると、喜緑さんの隣の席に腰を下ろした。 そんな長門の頭を、喜緑さんがなでなでしている。 ううう、なんとも言えない光景だ……。微笑ましいんだか微笑ましくないんだか。 「お姉ちゃん」 「何、有希ちゃん?」 「本、読んで」 そう言って長門が差し出したのは、分厚い洋書だった。 長門……、本の選択が間違っている気がするぞ。 いや、それ以前に年齢とか場所とか、もっとツッコミたい部分が有るわけだが……。 「ここで?」 「そう」 「でも、今は学校だし……」 「……駄目?」 うおお、長門が上目遣いだ!! 困惑する喜緑さん、思わず注目する俺、ハルヒ、古泉。 「しょうがないですね、有希ちゃんは甘えん坊なんですから」 喜緑さんは俺達に向って微笑むと、長門に渡された洋書を読み始めた。 さすがインターフェース。洋書の発音も完璧だ。俺には何を言っているかさっぱりだけどな。 「すみませーん、遅れまし……、ほえ?」 遅れて部室にやって来た朝比奈さんが、入り口の所で呆然と突っ立っている。 そりゃあそうだろう、俺が逆の立場でもきっとこうなるさ。 「ああ、こんにちは朝比奈さん」 「こ、こんにちは。え、えっと……、どうして喜緑さんがここに?」 「ああ、わたしは、」 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 どうやら長門は自分で主張したいらしいな。 「どえええええええ? お、おね、おね……、お姉ちゃん!?」 「そう、喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 「そういうことなんです」 いやいや喜緑さん、そういうことって言われても、多分朝比奈さんにはさっぱり通じないと思いますよ。 「でででででも、今までそんな素振りなんて、それに、苗字だって……」 こういう時の朝比奈さんを見ると、やや不安を感じる。 いや、長門の、まあ長門だけじゃなくハルヒや古泉も含めてなんだが、そういう特殊な背景もちの個人のプロフィールを忘れているんじゃないかと……、そんな風に思うのは、俺の気のせいだよな? 「事情がある。だから苗字は違う」 「そ、そうなんですが……」 「でも、彼女は私のお姉ちゃん」 「……う、うん、分かりました。お姉ちゃんなんですね。それなら納得です」 納得したんですか……、いや、まあ、ここで深く追求とかになられても困る……、いや、誰も困らないか? 多分喜緑さんが適当に交わすだろうし。 「あのう」 「何、お姉ちゃん?」 「朝比奈さんも来ましたし、私はそろそろお暇しようかと、」 「駄目」 「でも……」 「駄目、ここに居て」 長門は強い意思を篭めた口調でそう言って、喜緑さんを引き止めた。 喜緑さんがいる状況でSOS団でどうのというわけにもいかず、その日は喜緑さんの洋書朗読を聴く『だけ』という何時にも増して何の生産性も無い部活動の時間が終わり、俺達は帰宅することになった。 平穏だが疲れる一日だったな……。 「なあ、長門」 俺は帰り道でちょっと合図をして、別れ道から戻ってきた長門に話し掛けた。 「何?」 「お前、楽しいのか?」 「……分からない」 「分からないって……」 「喜緑江美里は、わたしのお姉ちゃん。……でも、妹として振舞っても、何かが満たされない。あなた達には届かない」 「そりゃあ、昨日の今日だからな」 「わたしと喜緑江美里では、姉妹にはなれない?」 「そう言う意味じゃない。……一朝一夕にでは無理でも、仲良くしていれば、何時か人間の姉妹みたいになれるさ」 「そう……」 「明日からもこのままなんだろう?」 「そのつもり」 「じゃあ、このまま姉妹として過ごせば良いさ。ああでも、SOS団のことも忘れないで居てやってくれよ。部活の時間に何時までも今日みたいだと、この先支障がありそうだからな」 「……分かった」 「けど、家では存分に甘えておけ」 「分かった、そうする」 「じゃあ、またな」 「また、明日」 それから数日後、喜緑さんと話をした。 「……有希ちゃんみたいな妹が出来て、わたしも嬉しいんですよ。有希ちゃんが最初申請をしたときには驚きましたけど」 「そりゃまあ、普通は驚くでしょうね」 「ええ。でも、わたしにも彼女にもいい経験になるだろうということで、情報統合思念体は許可したんです。……結果として、いい方向へ向っているようですしね」 「それなら何よりです」 原因は俺だからな……、これで妙なことになって迷惑をかけていたりしたら、喜緑さんに一生頭が上がらなくなる所だったのだろう。 「これからも、妹のことをよろしくお願いしますね」 外見も雰囲気もちっとも似ていないが、俺に向って頭を下げた喜緑さんは、すっかり長門の姉だった。 「分かっていますよ」 お願いされなくても分かっていることだが、姉に言われたのであれば尚更だ。 瓢箪からコマとでも言うのか……、いや、まあ、これ以上何か言う必要は無いか。 長門は幸せそうだし、喜緑さんも幸せそうなんだ。 だったら、これで良いんだろう。 fin
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お姉ちゃん ◆J5/YEUN.4s 「ママー、どこー?」 おそらく最年少の参加者、大沢木裕太は公園内を彷徨っていた。 武闘派で演技の才能もある天才児である彼だが、それ以前に普通の幼児でもあるので、やはり母親の存在は必要であった。 「うぅ…何かないかな…」 寂しさで泣いてしまいそうになる感情を必死にこらえ、とりあえずデイパックの中を確認する裕太。 彼の兄である小鉄はデイパックの中身すら確認せず走りだしたので、既に弟は兄より頭がいいのかもしれない。 「これピストル…?かっちょいい~」 裕太に支給されたのはごく一般的な拳銃だった。 長兄の晴郎の影響で、銃は映画の中で何度も見たことがあるし、おもちゃのピストルで西部劇ごっこもした事があった。 だが当然、本物を手にしたのは初めてだ。 「よーし、これで悪いやつはやっつけちゃうぞー!」 裕太は、いつものおもちゃのピストルと同じ感覚で引き金を引いてしまった。 ダァン! 「ひゃっ!!」 だがあまりにも大きな銃声と手にかかる反動に驚いて、その場に尻餅をついてしまった。 幸いにもケガは無かったが、裕太にとってその衝撃は大きかった。 (僕みたいな子供だと、撃った時の反動で暴発しちゃうから、これはあまり使わないほうがいいかな…。 やっぱり映画と現実は違うのかな…) 裕太は等身大の幼児であると同時に、状況を冷静に分析して判断できる才児でもあった。 もしも殺傷力があると知らずに銃を人に向けて撃っていたら…それはそれは大惨事になっていたことだろう。 「とりあえず誰か知ってる人に会いたいよ…」 支給品を全て確認し終えて今後のことを考える裕太。どうやら彼に支給されたのは基本支給品以外はピストルだけのようだ。 そろそろ出発しよう。誰かに会わないと心細さでおかしくなってしまいそうだ。 「あれ…?」 少し公園内を移動していると、街灯が上へ上へと続いていることに気づいた。 同時に地面も坂道になっていく。裕太は疑問に思って少し考えたが、すぐに合点がいった。 「そうだ!この公園って浦安フジがある公園だ!」 そう、裕太が今まで居たのはD-4の浦安フジの麓の中央公園であった。 母親や兄と共に何度も来たことがあるのだが、夜に来たことは当然なかった。 浦安フジの小高い丘も、暗闇に隠れていて気づかなかったのだった。 「もしかしたら山頂に誰か居るかもしれない!」 寂しさですぐにでも誰かに会いたかった裕太は、何も根拠は無いのだがそんな風に思って浦安フジの山頂へと走りだした。 登るに連れて街灯が減ってどんどん暗くなっていく。でも今はとにかく誰かに会いたい!その思いで階段を駆け登った。 「とーちゃーく…いてっ!」 無事山頂(といっても数十メールしかない)にたどり着くが、最後の最後で階段に足を引っ掛けてズッコケてしまう裕太。 「ぐすっ…えぐっ…、痛い…」 いつもだったら、ケガをしてもママがすぐ手当をしてくれた。泣いてもママがすぐにあやしてくれた。 だが今、この場に裕太のママはいない。なので彼を守ってくれる人は… 「ゆ、裕たんか!?そないに怯えて、危ない人に追っかけられたりしたんか!?」 「…えっ?」 意外にも、いた。裕太の願望通り、浦安フジの山頂には既に先客がいたのだった。 「さっき銃声が聞こえたやろ?それで登ってきたのが殺人犯と思って隠れとったんやけど、まさか裕たんやったとはな…。 そんで、犯人はどんな奴や?こっちに追ってきとんのか!?」 その人物は裕太もよく知る相手。お隣さんで兄の小鉄の友達、西川のり子だった。 「って裕たん膝小僧ケガしてるやん!手当してやるから見せてみぃ…」 「の、のりちゃーん!」 裕太の膝小僧を手当するしようと屈んだのり子に、裕太はそのまま抱きついた。 「起きたら真っ暗で…ママや晴兄ちゃんも、誰いなくてひとりぼっちで…ひぐっ、ぼ、僕…寂しくて…」 「裕たん…」 突然胸に飛びつかれて驚きつつも、その言葉を聞いたのり子は静かに裕太の頭を撫で始めた。 「…うちでよかったらずっと一緒にいてやるわ。だからもう…泣きやみや」 「の、のりちゃん…うわあああん!」 裕太はこれまでの心細さから開放され、"隣の家に住む優しいお姉ちゃん"に寂しさを一気にぶつけて甘えた。 のり子も裕太と会うまでは1人だったので、人肌の暖かさに触れて思わず安堵の感情を覚える。 フグオと垣ママという、のり子にとって見知った人物が有無をいわさずに殺されてしまった、あの悪夢。 あの時のり子は、すすり泣いていたのだった。最初こそ夢だと思って浮かれていたが、垣ママの首が爆破されてから状況は変わった。 そしてフグオが殺されてしまった時、恐怖はピークに達していた。 関西弁で強くみえる口調と活発な性格のためによく誤解されてしまうが、彼女はその歳の少女相応の、繊細で傷つきやすい心の持ち主であるのだ。 「うぅ…小鉄ぅ…早よ助けに来てやぁ…」 もっとも、その歳の少女の中でも一際強い乙女心の持ち主であったのだが。 0時ぴったりに浦安フジ山頂のベンチで目を覚ましてからは、まず言われた通りデイパックの中身を確認をした。 ランダム支給品は包丁とポケットティッシュ。包丁を取り出した時は驚いてしまったが、すぐデイパックの中に戻したのだった。 その後地図を広げ、自分(と小鉄)の家があるE-2や、小鉄が居るかもしれない学校へと向かうことに決めたのり子。 だが出発しようとしたその時、裕太が発射した銃弾の音が聞こえたのだった。 無音の夜の闇の中、突然銃声が聞こえれば大人でさえ震え上がることだろう。 裕太から見ればお姉ちゃんであるのり子だが、一般的に見ればまだまだ小さな子供。 そうでなくても怯えていたのり子が、再び強い恐怖に囚われた事は想像に難くなかった。 そして自分のいる浦安フジ山頂の小屋に徐々に迫ってくる足音。のり子は急いで身を縮こまらせてベンチの影に隠れた。 だがこんな隠れ方をしてもすぐバレてしまうだろう。のり子はとにかく近づいてくる足音が殺人犯ではないことを祈った。 (嫌や…うちはこんな所で死にとおない…!!) 包丁を取り出しておくべきか迷っていると、バタンという大きな音で飛び上がるのり子。ついに殺人犯がやってきた。 そう思って思わず目が潤むも、聞こえてきた男の子の泣き声で徐々に緊張は解けていく。 この声、どっかで聞いたことある。そう思ったのり子は思い切ってベンチの影から飛び出した。 一瞬誰もいないように見えて辺りを見回すも、足元に誰かが倒れている事に気づく。 そしてそこに居たのは想い人の弟だった、というわけだ。 相変わらず甘えてくる裕太の頭を優しく撫で続けるのり子。 そんな裕太の顔を上から眺めていると、だんだんと裕太が小鉄の顔に見えてきた。 「ほ、ほら、ケガを手当するからはよ離れな。男の子はあまり泣いたらあかんで?」 半ば無理やり裕太を離し、デイパックからポケットティッシュとペットボトルを取り出すのり子。 兄弟だから顔が似ていて当たり前なのだが、想い人を抱きしめているような感覚がして何か照れくさくなってしまったのだった。 「今は絆創膏がないから、これくらいしか出来ひんけどゴメンな?ちぃと染みるけど我慢してや」 「う、うん…」 裕太はもう少し甘えていたかったが、相手がママではなくのり子なのを思い出して不服ながらも離れた。 「うぅ…染みる…」 「…バイキンが入ったらあかんからな、ちょっとの辛抱や」 「うん…」 (そういえば、ママにも『バイキンが入ったらいけない』って言われたなぁ…。) この"殺し合い"の状況下において、裕太は確実にのり子に母性を感じていた。 のり子ものり子で、弟ができたような満足感、精神的充実を感じていた。 一人っ子であるのり子は隣に住む大家族を見ていて、兄弟が欲しいと感じたことは正直何度かあった。 だが他の家庭に比べて困窮している自分の家庭環境をのり子は嫌というほど知っていたので、現実的でない事が分かって諦めたが。 (将来うちがオカンになって、子供ができたらこんな感じなんやろなぁ…って、うちは何考えてるんや!)/// 余りにも恥ずかしい妄想に、思わず自分でツッコんでしまうのり子。 (いや、そしたら裕たんは義理の弟になるんかー?すると桜ちゃんは義理の姉で…晴郎が義理の兄…晴郎が兄!?) 「ぷふぅーっ、晴郎がうちの兄やて! うちがアイツのこと"お兄ちゃん"とか呼ぶんかー、あっしゃっしゃ…!笑えるわー!」 「の、のりちゃん、急に笑い出してどうしたの?」 思わずツボにハマってしまい、腹を抱えて笑い出すのり子。そのバカ笑いは、安堵の現れでもあった。 「…ハッ!な、何でもあらへんよ。そういえば、さっき銃声が聞こえたんやけど裕たんは何か知っとるか?」 「銃声…あっ、あれは僕が間違えて発射しちゃったやつだよ」 とりあえず落ち着いた裕太は、今度こそのり子の問いに答えることが出来た。 デイパックを開いてピストルを見せると、のり子は驚いた声を出した。 「そ、それ本物か…!?ケガせえへんかったか!?」 「大丈夫だよ。…尻餅はついちゃったけど。それより…僕、なんか眠くなってきちゃったぁ…」 裕太はゴシゴシと目をこすり出した。当たり前だ、今は子供は当然寝ている時間である。 1人でいた時は睡魔より恐怖が勝っていたが、のり子に会って安心したことで眠気が一気に吹き返してきたのだった。 「それやったらここのベンチで横になるとええで。…寝心地はあんま期待できそうにないけどな」 「うん…ありがとう。のりちゃん、おやすみ…」 そう言って横になると、裕太は5分も経たずに可愛らしい寝息を立て始めた。 なんとなくそのまま裕太を見つめるのり子。さっきも思ったが、その無垢な寝顔はやはり小鉄と似ていた。 もっとも、兄や両親と違って髪の毛が栗色なのは大沢木家七不思議の一つだが。 「…ホォォ~」 裕太のデイパックから銃を回収しようとしていた時、大あくびがのり子の口から発せられた。 のり子にとっても眠いのは当然だった。だが自分が寝てしまったらいつ不審者に襲われてしまうかわからない。 頬をパンパンと叩いて、必死に眠気をこらえる。 「小鉄…裕たんは絶対うちが守ってみせるからな…」 夜空に浮かぶ月を見上げ、のり子はそう固く誓ったのだった。 【D-4 浦安フジ山頂/1日目・深夜】 【西川のり子】 [状態] 健康、裕太を守る決意、眠気 [装備] 回転式拳銃 [道具] 支給品一式、包丁、ポケットティッシュ [思考・状況] 1:裕たんはうちが守ったるわ。 2:早く小鉄たちに会いたい。 3:眠い…。 4:やっぱり"殺し合い"は怖い。 【大沢木裕太】 [状態] 睡眠中 [装備] なし [道具] 支給品一式 [思考・状況] 1:Zzz… 2:のりちゃんってママみたいだなぁ。 3:ママや晴兄ちゃんたちに会ってお話したい。 4:主催者は何でこんな殺し合いをしようと思ったんだろう…。 ※回転式拳銃 リボルバー式のごくごく一般的な拳銃。弾薬は数十発ほど同梱。 ※包丁 ごく普通の包丁。調理用途以外にも、毎度9巻ではのり子が襖を切り取って習字の半紙にする用途で使用した。 ※ポケットティッシュ 消費者金融の広告用紙が入ったポケットティッシュ。小鉄たちがティッシュ配りのお姉さんからもらって、船に見立てて川に流したりした。 ちなみにのり子は鼻かみティッシュをごみ箱に投げ捨てるのが妙にうまい。 ※D-4で裕太が発射した銃声が響きました。そんなに遠くまでは聞こえてないと思います。 05話:女の子たちのスウィートなやり取り 時系列順 06話:ベースボールイズ… 投下順 07話:限りなくアウトに近い何か 西川のり子 話:[[]] 大沢木裕太 話:[[]]
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ある日のことだ。 SOS団の面子全員が俺の家で遊びまくっていたその一日、俺は籤引きにより長門を家に送っていくことになった。 「……わたしはあなた達が羨ましい」 歩く間中無言だった長門は、別れ際に唐突にそんなことを言い出した。 「は?」 長門に羨ましいと思われる心当たりなど一つも無いし、複数形だというのが余計に謎を深める。はて、あなた達とは俺と誰のことだ? 「あなたとあなたの妹」 「妹?」 「そう」 「何で妹、いや、俺と妹なんだ?」 「……兄弟姉妹といった人間同士の関係は、わたしには縁が無いもの」 長門は淡々と、しかしどこか寂しげな様子を纏いつつ答える。 そういや、長門は宇宙人製ヒューマノイドだからな。 「あー……」 さて、どう答えたものか。 長門が俺を羨ましがっているのは分かるんだが、俺はこういう時に有効に回答するスキルを持っていない。 俺の知り合いには天涯孤独なんて奴は居ないし、そういうことを俺に向って訴えてくるような奴も居ない。 「わたしはあなた達が羨ましい」 長門はもう一度同じ言葉を繰り返した。 「……なあ、長門。お前にもお前の同類ってのは居るんだよな?」 俺の頭の中にナイフを持った女と生徒会書記の先輩の顔が過ぎっていく。 前者は名前を出しても大丈夫だろうが現在はもう地上に存在しない上俺が積極的に名前を出すことに躊躇いが有り、後者は長門の前で名前を出して良いかどうかが分からない。 「居る」 「そういう人たちは、親戚みたいな物なんじゃないか? ええっと、同じ親……、っていうのか、同じ存在に作られた者同士なんだし」 「……」 「そりゃあ、人間の血縁関係とは違うんだろうが……」 何言っているんだろうなあ、俺。 こういう時は何でも言いくるめられる古泉や何でも勢いのまま丸め込んでいけるハルヒが羨ましいよ。 「そう、わたしたちは人間でいう血縁関係という概念を持たない」 「……」 「でも、」 「でも?」 「……あなたの考え方は気に入った。情報統合思念体に申請してみる」 ああ、そうか、気にいってもらえて良かったよ。 しかし、申請って何だ? どこかの原子力を積んだロボットよろしく他のヒューマノイドを家族として作ってみるとかか? 俺はその辺りのことを長門に訊ねたかったが、長門はあっという間にマンションに入っていってしまったので、俺は何も訊くことが出来なかった。 ふむ、一体なんだろうね。 まあ、今更いきなり長門の家族なるものが出てきた程度で、たいしたことはなさそうだが。 俺が認識の甘さを悟ったのは翌朝のことである。 通学路の坂道でハルヒと古泉に出会った俺は、くだらない話をしつつ三人で坂を登っていた。 ハルヒが比較的早足で俺と古泉も一応それに合わせているので、俺達はどんどん他の生徒たちを追い抜いていく。朝から元気な団体だとでも思われてそうだ。 「あら有希じゃない、おはよう」 先頭を行くハルヒが、長門の姿を見つける。 「あら、その人は……」 小柄なショートカット娘の隣にいる人物を見つけたハルヒの目が、大きく見開かれる。 そこに立っていたのは、喜緑江美里さんだった。 喜緑さんは長門の同類だが、事情を知らないハルヒから見れば憎き生徒会の手先その1くらいの存在だろう。 何故喜緑さんが長門と一緒に登校してるんだ? という俺の些細な疑問は、次の長門の爆弾発言によって解決……、したかどうかは分からないが、一応答えには近づいたらしい。 「あ、おはようございます皆さん」 「何であなたが有希と一緒なのよ」 「ああ、それは、」 喜緑さんが言う前に、遮るように長門が言った。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 ……。 ……。 ……Why? いや、この場合の疑問符はWhyではなく……、という問題じゃなくてだな。 長門、お前今何を言った。 喜緑さんが……、長門の、姉? 面食らう俺、ハルヒ、古泉。おお、さすがに古泉でもびっくりか! そりゃあそうだよな、いきなりお姉ちゃんだもんな、俺もびっくりだよ。 何となく事情のからくりが理解できないことも無さそうな俺や古泉がこうなんだ、ハルヒなんてもう言うまでも無いだろう。 「どどどどどど……、どういうことーっ?」 ハルヒ、動揺しすぎだ。 いや、俺だってお前の気持ちは分からなくも無いが……。 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 長門、それじゃ何の回答にもなってないぞ。 「お、お姉ちゃんって、お姉ちゃんって……、ちょ、ちょっと待ってよ。だって今まで、そんな素振りを一切見せなかったじゃない!!」 そりゃそうだ。多分昨日までは姉妹じゃなかっただろうからな。 俺は昨日の長門との会話を思い出す。きっかけは絶対あれだろう……。 しかし長門よ、だからっていきなり翌日から喜緑さんと姉妹になること無いじゃないか。 おかげでハルヒが大混乱状態だぞ。 「昨日までは言えない事情が有った。でも、事情が変わって今日からは言っても大丈夫になった」 「そ、そう……」 まてハルヒ、お前それで納得するのか! 苗字だって違うのに……、いや、それが『事情』って風に解釈したのか? 「そう」 「そう……、そういうことなのね。良かったわね、有希、お姉ちゃんと仲良くするのよ!」 「……」 長門が無言で首肯し、喜緑さんが笑う。 うーん、外見も雰囲気もちっとも似て無い気がするんだが、悪い組み合わせでは無さそうな気はするな。 しかし長門が喜緑さんの妹か……、良いのか、これで? 「良いんじゃないですか、別に」 放課後、まだ俺と古泉しか居ない部室で古泉にこの話題を振ってみたら、やたらあっさりと切り替えされた。 「お前なあ……」 「今のところ何の問題も起きていませんし、これからも特に困ることは無いでしょうからね。別に世界が改変されたわけでも無いようですし」 「記憶操作とかも無しってことか?」 「ええ、その必要は無かったでしょうからね」 「どういうことだ?」 「こんなのは、長門さんと喜緑さんの戸籍をちょっと書き換えればすむことなんですよ。それが学校に提出する必要が無い範囲の部分であれば、学校にある記録に手をつける必要すらありません」 「ふむ……」 古泉は多分、その長門や喜緑さんの戸籍上の情報とやらをある程度把握しているんだろう。 俺にはそういうことはさっぱりだし別に取り立てて知りたいとも思わないが、古泉の言っている理屈は分からないことも無い。 「ここからは仮定の話になりますが、正直な所、こういうことは非合法な手段や超常的な手段を全く使わなくても出来ないことはないですからね」 「……結婚とか離婚とか、養子縁組とかか?」 「そういうことです」 なるほどな。 結局の所俺は長門がどんな手段を取ったか全く持って知りようが無かったわけだが、古泉の解説を聞いて何となく納得できたような気はした。 古泉が楽観的なのは、この辺りのカラクリが分かっているから何だろう。 「しかしだな、喜緑さんは生徒会の書記だぞ? そんな立場の人が長門の姉で良いのか?」 「特に問題は無いでしょう」 「生徒会は敵キャラ設定じゃなかったのか?」 「敵味方に分かれた姉妹だなんて、話を盛り上げるのに良いじゃないですか」 「あのなあ……」 「多分、涼宮さんもそう思ってくれると思いますよ」 ……まあ、俺もそんな気がするけどさ。 しかしこれで良いのか? いきなり姉だ妹だって……。別に何も悪いことはおきてないけどさ。 「やっほー、おまたせえ」 そのとき、扉がでかい音を立てて開いた。 立っているのは声の主のハルヒ、それに長門、そして何故か喜緑さん……、いや、長門のお姉さんか。 「二年の教室まで行っていたら手間取っちゃってさあ」 ハルヒは悪びれもせずそんなことを言う。 喜緑さんは相変わらずの穏やかな笑顔のまま空いている席につき、長門がお茶を淹れに行く。 うーん、不思議な光景だ……。 「はい、お姉ちゃん」 「ありがとう、有希ちゃん」 うお、有希ちゃんと来たか! 長門は俺達にもお茶を配ると、喜緑さんの隣の席に腰を下ろした。 そんな長門の頭を、喜緑さんがなでなでしている。 ううう、なんとも言えない光景だ……。微笑ましいんだか微笑ましくないんだか。 「お姉ちゃん」 「何、有希ちゃん?」 「本、読んで」 そう言って長門が差し出したのは、分厚い洋書だった。 長門……、本の選択が間違っている気がするぞ。 いや、それ以前に年齢とか場所とか、もっとツッコミたい部分が有るわけだが……。 「ここで?」 「そう」 「でも、今は学校だし……」 「……駄目?」 うおお、長門が上目遣いだ!! 困惑する喜緑さん、思わず注目する俺、ハルヒ、古泉。 「しょうがないですね、有希ちゃんは甘えん坊なんですから」 喜緑さんは俺達に向って微笑むと、長門に渡された洋書を読み始めた。 さすがインターフェース。洋書の発音も完璧だ。俺には何を言っているかさっぱりだけどな。 「すみませーん、遅れまし……、ほえ?」 遅れて部室にやって来た朝比奈さんが、入り口の所で呆然と突っ立っている。 そりゃあそうだろう、俺が逆の立場でもきっとこうなるさ。 「ああ、こんにちは朝比奈さん」 「こ、こんにちは。え、えっと……、どうして喜緑さんがここに?」 「ああ、わたしは、」 「喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 どうやら長門は自分で主張したいらしいな。 「どえええええええ? お、おね、おね……、お姉ちゃん!?」 「そう、喜緑江美里はわたしのお姉ちゃん」 「そういうことなんです」 いやいや喜緑さん、そういうことって言われても、多分朝比奈さんにはさっぱり通じないと思いますよ。 「でででででも、今までそんな素振りなんて、それに、苗字だって……」 こういう時の朝比奈さんを見ると、やや不安を感じる。 いや、長門の、まあ長門だけじゃなくハルヒや古泉も含めてなんだが、そういう特殊な背景もちの個人のプロフィールを忘れているんじゃないかと……、そんな風に思うのは、俺の気のせいだよな? 「事情がある。だから苗字は違う」 「そ、そうなんですが……」 「でも、彼女は私のお姉ちゃん」 「……う、うん、分かりました。お姉ちゃんなんですね。それなら納得です」 納得したんですか……、いや、まあ、ここで深く追求とかになられても困る……、いや、誰も困らないか? 多分喜緑さんが適当に交わすだろうし。 「あのう」 「何、お姉ちゃん?」 「朝比奈さんも来ましたし、私はそろそろお暇しようかと、」 「駄目」 「でも……」 「駄目、ここに居て」 長門は強い意思を篭めた口調でそう言って、喜緑さんを引き止めた。 喜緑さんがいる状況でSOS団でどうのというわけにもいかず、その日は喜緑さんの洋書朗読を聴く『だけ』という何時にも増して何の生産性も無い部活動の時間が終わり、俺達は帰宅することになった。 平穏だが疲れる一日だったな……。 「なあ、長門」 俺は帰り道でちょっと合図をして、別れ道から戻ってきた長門に話し掛けた。 「何?」 「お前、楽しいのか?」 「……分からない」 「分からないって……」 「喜緑江美里は、わたしのお姉ちゃん。……でも、妹として振舞っても、何かが満たされない。あなた達には届かない」 「そりゃあ、昨日の今日だからな」 「わたしと喜緑江美里では、姉妹にはなれない?」 「そう言う意味じゃない。……一朝一夕にでは無理でも、仲良くしていれば、何時か人間の姉妹みたいになれるさ」 「そう……」 「明日からもこのままなんだろう?」 「そのつもり」 「じゃあ、このまま姉妹として過ごせば良いさ。ああでも、SOS団のことも忘れないで居てやってくれよ。部活の時間に何時までも今日みたいだと、この先支障がありそうだからな」 「……分かった」 「けど、家では存分に甘えておけ」 「分かった、そうする」 「じゃあ、またな」 「また、明日」 それから数日後、喜緑さんと話をした。 「……有希ちゃんみたいな妹が出来て、わたしも嬉しいんですよ。有希ちゃんが最初申請をしたときには驚きましたけど」 「そりゃまあ、普通は驚くでしょうね」 「ええ。でも、わたしにも彼女にもいい経験になるだろうということで、情報統合思念体は許可したんです。……結果として、いい方向へ向っているようですしね」 「それなら何よりです」 原因は俺だからな……、これで妙なことになって迷惑をかけていたりしたら、喜緑さんに一生頭が上がらなくなる所だったのだろう。 「これからも、妹のことをよろしくお願いしますね」 外見も雰囲気もちっとも似ていないが、俺に向って頭を下げた喜緑さんは、すっかり長門の姉だった。 「分かっていますよ」 お願いされなくても分かっていることだが、姉に言われたのであれば尚更だ。 瓢箪からコマとでも言うのか……、いや、まあ、これ以上何か言う必要は無いか。 長門は幸せそうだし、喜緑さんも幸せそうなんだ。 だったら、これで良いんだろう。 fin
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「つかさおはよー。って、あれ?かがみは?」 駅前でこなちゃんと合流して、こなちゃんがまず訊いてきたのは、予想通り、お姉ちゃんの所在だった。 私は、せっかくだからこなちゃんやゆきちゃんに相談してみようって言ったんだけど、お姉ちゃんは 「みゆきには心配掛けたくない。こなたには……こんな姿見られたくない」って。 お姉ちゃんらしいとは思うんだけど…… 今日は、大変な一日になりそう。 ここで正直に、『お姉ちゃんは鞄の中だよー』なんて言ったら、お姉ちゃんに怒られるので…… 「お姉ちゃん、風邪引いて熱が出ちゃって……今日は学校お休みするんだ」 「また風邪?かがみってよく風邪引くよね。夏にも引いてたし」 「うん。ほら、最近急に涼しくなってきたでしょ?きっとそのせいだよ」 「ふーん……あ、わかった。かがみはきっと、夏と同じ調子でお腹出して寝てたんだよ」 鞄の中で何かがバシンと音を立てたように聞こえた。気のせいかな? こなちゃんとふたり並んでバスを待つ。 …困った。 こなちゃんはどういう訳か、ときどき私の鞄をチラチラ見ている。 もしかして、もう怪しまれてる? もしかして、こなちゃんにはお姉ちゃんがいるのが分かるの? 「つかさ、さっきから気になってたんだけど…」 こなちゃんが不思議そうな表情で私に話しかけてくる。 「な、なあに?」 うぅ、心臓がドキドキしてきた。 まさかこなちゃんと会って早々こんなことになるなんて…… お姉ちゃん、どうしよう。 「どうして、そんな大事そうに鞄抱えてるの?」 「え…?」 そうだった。 よく考えたら私は、お姉ちゃんの入った鞄を両手で抱き寄せるようにして持っていたんだ。 思い出してみると、家を出たときからずっとこの体勢でここまで来ていた気がする。 だってね、こなちゃん…… ここまで来るだけでも、大変な思いだったんだよ。 つい勢いで『お姉ちゃんは私が守る!』なんて言っちゃったけど、一歩外に出たら急に不安が襲ってきて…… でも、なんとかしてお姉ちゃんを無事学校まで連れてってあげなくちゃと思って…… 落とさないように、ひったくられないように、大事に鞄を抱えて…… 転ばないように、一段ずつ慎重に駅の階段を下りて…… 人の少ない車両を選んで電車に乗り込んで…… そして、今に至るわけです…… つかさです…… 疲れました…… 突然、携帯の着信音が鳴った。 メールが来たみたい。 鞄を少しだけ開けて携帯を取り出し、メールを確認する。 送信者は……私? 本文にはたったの3文字で 『膝掛け』 とだけ書いてある。 お姉ちゃんが頑張って打ったメールなのは分かったんだけど…… 膝掛けなんて、何に使うんだろう。 なんとか無事に学校に到着し、保健室で膝掛けを借りて、教室に入り、自分の席に座って…… 思わずため息。 やっと着いたね、お姉ちゃん。 なんだか、いつもの通学路がものすごく長く感じたよ。 いつも通りのHRが終わり、授業が始まる。 で、お姉ちゃんが今どこに居るかというと…… 私の、スカートの中。 借りてきた膝掛けとスカートのおかげで、お姉ちゃんの身体は完全に隠れてしまっている。 確かに、これなら誰にも見つからないよね。 さすがお姉ちゃん、頭いいなあ…… …… ……… 落ち着かない。 いくら姉妹でも、これはちょっと恥ずかしいよ、お姉ちゃん。 授業が始まる前に、お姉ちゃんに頼まれて、シャーペンの芯とノートの切れ端をこっそり渡しておいたんだけど…… お姉ちゃん、こんな状況なのに、授業受ける気満々みたい。 でも、スカートの中でノートなんて取れるのかな?黒板も見えてない筈なのに…… …不幸な出来事は続けて起きるって、前にこなちゃんが言っていたのを思い出した。 どうしてそんな事を思い出したかっていうと…… 先生が突然、『抜き打ちの小テストをやる』なんて言い出したから。 なんということでしょう。 問題用紙が配られ、テストが始まる。 そして私は問題文と睨めっこ。 …ダメ、集中できない。 お姉ちゃん、あまり動かないでよ…… こうなったら、お姉ちゃんに助けてもらうしかない。 私は問題用紙の隅に小さな字で問題を書き写し、その部分をちぎってそっとスカートの中に入れる。 大丈夫、誰にも見られてない。 お姉ちゃんも、ちゃんと紙を受け取ってくれた。 しばらくして、お姉ちゃんが私の内ももをパンパンと叩いてきた。 私はそっと、スカートの中に手を伸ばす。 そして、お姉ちゃんから受け取った紙をじっと眺める。 すごく小さな字で何か書いてある。 やった。問題の答えだ。 やっぱりお姉ちゃんは、頼りになるなぁ。 何て、書いてあるのかな…? 『自分でなんとかしなさい』 …… お姉ちゃん、いけない事考えてごめんなさい。 もう、二度としません。 結局、お姉ちゃんは午前中の授業をずっと私のスカートの中で過ごした。 そのせいかな、なんだか頭がホワホワしてきた。 「つかささん、どうかされましたか?顔が赤いですよ?」 「ほんとだ。もしかして、つかさも風邪引いてる?ずっと膝掛け当ててるみたいだし」 突然こなちゃんとゆきちゃんに話しかけられた。 びっくりした。 「あ、ううん。何でもないよ。ちょっと寒気がするだけだから、平気だよ」 「そっか。じゃ、昼ご飯食べよっか」 3人で机を囲んでお弁当を食べる。 こなちゃんは相変わらずチョココロネだけど。 「なんか、かがみがいないと平和だねー」 こなちゃんがそんな事を言う。 私は全然平和じゃないよ。 スカートの中のお姉ちゃんのことでいっぱいいっぱいなんだよ。 「あ、そうそう、かがみと言えば…」 こなちゃんが何かを思い出したように口を開いた。 「この前、かがみと一緒に本屋に行ったんだけどさ……モグモグごっくん」 一瞬、スカートの中のお姉ちゃんがビクッと動いたような気がした。 どうしたんだろう? 「私はアニメ雑誌を買おうと思ったんだけど、かがみは参考書を探すって言うから、別行動をとることにしたんだよね……モグモグごっくん」 あれ?お姉ちゃんの様子がおかしい。 さっきから私の内ももをパンパン叩いてる。 ダメだよお姉ちゃん、そんなところ叩いたら。 「で、私は欲しい物を一通り買い終えて、かがみを呼びに行ったんだよ。そしたらかがみ、参考書のコーナーとは別の場所に居てさ……モグモグごっくん」 …どうしよう。 お姉ちゃんのパンパン攻撃がどんどん激しくなってきてる。 あ、分かった。 お姉ちゃん、きっとお腹がすいているのかも。 そうだよね、朝から何も食べてなかったもんね。 でも、もう少し我慢してね。 「そこで、一冊の本を手に持って、その表紙を真剣に眺めてたんだ……モグモグぷぃっ」 …お姉ちゃんのパンチが止まらない。 もしかしてお姉ちゃん、こなちゃんの話に反応してる? こなちゃんの話を止めろってこと? なんか、言われたらまずいことなのかな? 「私はかがみに気づかれないように、そっとかがみの背後に立って、かがみが見ている本の表紙を覗き見……」 「こなちゃん!」 「は、はひ?」 「…お鼻にチョコが付いてるよ」 こなちゃんのお鼻には本当にチョコが付いていた。 ラッキー。チョココロネが幸運を運んでくれたよ。 私はこなちゃんのお鼻についたチョコを指で拭い取ってペロッとなめた。 お姉ちゃんの真似。 すると、こなちゃんがびっくりしたような表情でこっちを見る。 「つかさ?」 「な、何?」 「もっかいやって」 こなちゃんがわざとお鼻にチョコを付けておねだりしてきた。 変なのー。 「泉さん、私でよろしければして差し上げましょうか?」 「おー。じゃあ、今度はみゆきさんにお願いしよっかな」 ゆきちゃん、ナイス。 お姉ちゃんの攻撃が止まったよ。 良かったー。 …なんて安心していたら、今度はお姉ちゃんが私のももをなでなでしてきた。 もう、お姉ちゃんってば…… 「つかささん、また顔が赤くなっていますよ?大丈夫ですか?」 き、気のせいだよゆきちゃん…… お弁当を食べ終えてから、私はお姉ちゃんを連れてある場所にやって来た。 「お姉ちゃん、出てきても大丈夫だよ」 周りに人がいないことを確かめてから、お姉ちゃんに呼びかける。 すると、スカートのポケットからお姉ちゃんがヒョコッと顔を出して、周囲をキョロキョロと見回した。 「ここ、屋上じゃない。どうしたのよ?こんな所に連れてきて」 「うん、あのね、お姉ちゃん、お腹すいたでしょ?」 「え…?あ、そう言えば…」 お姉ちゃんはお腹に手を当てて空腹具合を確かめる。 なんだか可愛い。 「朝から何も食べてなかったし……ていうか、小さくなってもお腹は減るのね」 「でしょ?だから、お姉ちゃんのお弁当、持ってきたんだよ」 私は持ってきたお弁当をお姉ちゃんの前に置いて広げた。 するとお姉ちゃんは、お弁当を包んでいたハンカチの上にちょこんと乗る。 「お姉ちゃん、どれから食べる?」 「うーん……オムレツがいいかな……でも、どうやって食べたらいいか…」 「私にまかせてっ」 私はお箸でオムレツを小さく切り分ける。 「はい、あーん」 「ちょ、ちょっと……いいわよ、自分で食べるわよ」 「どうやって食べるの?」 「うっ…」 お箸の先がお姉ちゃんの口にピタッと触れた。 「お姉ちゃん、おいしい?」 私がそう訊くと、お姉ちゃんは口の中がいっぱいで喋れないのか、黙ったままコクンとうなずいた。 その後、私はお姉ちゃんが食べられそうな物を一通り食べさせてあげた。 お姉ちゃんは、始めのうちは周りを警戒していたのか、少し表情が硬かったみたいだけど、 お腹がいっぱいになる頃にはすっかりリラックスしたのか、いつものお姉ちゃんの笑顔が戻っていた。 「ごちそうさま、つかさ」 「エヘヘ、こちらこそ」 「こちらこそって……何がよ?」 「え?……ううん、何でもない」 「さすがに全部は食べ切れなかったけど、とてもおいしかったわよ、オムレツ」 「うん、ありがと」 そして、お姉ちゃんのランチタイムは終わった。 良かった、お姉ちゃんに喜んでもらえて。 ふと、お姉ちゃんに訊きたいことがあったのを思い出した。 訊くなら、今しかない。 「ねえお姉ちゃん。お姉ちゃんが本屋さんで見ていた本って…」 「…参考書よ」 「そっか」 しばらくの間、沈黙が流れる。 お姉ちゃんは、私の隣で小さく三角座りをしているけど、なんだか表情が冴えない。 やっぱり、知られたら嫌なことだったんだ。 「お姉ちゃんもしかして、こなちゃんのこと怒ってる?」 「別に。こなたがああいう奴だっていうことくらい、分かってたし」 『別に』なんて言っているけど、口調が怒っているようにしか聞こえないよ…… 空を見上げると、小さなうろこ雲がプツプツと浮かんでいた。 空がいつもより高く感じるのは、きっと秋だから。 お姉ちゃんの目には、この空はどんな風に映っているんだろう。 もしかしたら、私よりもっと、この空が高いと感じているのかな…? 私は思わずため息をつく。 それと同時に、お姉ちゃんも小さなため息をつく。 「夢じゃ……ないのかなぁ…」 「夢じゃ……ないみたいね…」 やっぱり、これは夢じゃないみたい。 お姉ちゃんが、夢じゃないって言うから、きっとこれは夢じゃないんだ。 夢じゃないとしたら、私は本気でお姉ちゃんの身を守らなくちゃいけない。 やっぱり今のお姉ちゃんにとって、外は危険だらけだ。 私が少しでも気を緩めたら、お姉ちゃんの身に何が起きるか分からない。 やっぱり、今日はもう家に帰ろう。 少しでも早く安全な家に帰って、家でゆっくりしながら、これからのことを考えよう。 「お姉ちゃん」「つかさ」 言い出そうとして、お姉ちゃんと声が重なった。 「お姉ちゃん、何?」 「あのね、今日はもう帰りましょ」 「えっ?」 言おうとしていたことを先に言われて、思わずびっくり。 「つかさ、今日はいろいろ大変だったでしょ?通学中も落ち着きなかったみたいだし」 「うん…」 「私の身体のこと、心配してくれてたのよね?ありがとね、つかさ」 「お姉ちゃん…」 「つかさには苦労かけちゃったから、今日は早く帰って、家でゆっくりしましょ。つかさもそうしたいでしょ?」 「うん…」 「ゴメンね。自分で学校に行くって言っておきながら……なんか、つかさを振り回しちゃったわね」 「ううん。そんなこと…」 そんなことないよ、って言おうとしたけど、言葉が詰まっちゃった。 「お姉ちゃんもしかして、私の考えてる事分かっちゃった?」 「うーん……つかさの顔見てたら、なんとなく、ね」 「そっか。……やっぱり……」 「やっぱり……何?」 「やっぱり、私はお姉ちゃんの妹なんだなって思って」 「どうしたのよ?急に」 「お姉ちゃん、いつもこんな風に、私のこと気遣ってくれて、優しくしてくれて、私はそんなお姉ちゃんに甘えて、助けてもらって……」 「つかさ……」 「でもね、今日は……」 今日は駄目。甘えちゃ駄目なんだ。 お姉ちゃんがいつも私を守ってくれたみたいに、今日は私がお姉ちゃんを…… 「おーい、つっかさー!」 「あ、泉さん!待ってください!」 …ま…も…… ……って、ええぇぇええっ! 「こ、こここ、こなゆきちゃんっ!?」 「げっ!?」 こなちゃんが凄い勢いでこっちに近づいてくる。 ゆきちゃんも慌てた様子でこなちゃんの後を追いながらこっちにやってくる。 お姉ちゃんは完全に隠れるタイミングを失って、その場でガチンと固まってしまった。 ハイ、それまでヨ…… 「じ~~~~~~~~~」 こなちゃんは両膝に手を当てながら顔をお姉ちゃんに近づけていくと、大きな目をパチパチさせながら 小さなお姉ちゃんの姿をまじまじと眺める。 その顔は驚いているような、いないような…… お姉ちゃんの方は、睨みつけるような目でこなちゃんの顔を見ている。 「……顔近い」 「おー。やっぱりかがみだ」 「……なんで、あんたがここに居るのよ」 「いやー、みゆきさんが、つかさがお弁当を持ってどこかに行くのを見たって言うから、つかさもついにっ!?と思ってさ」 「つかさもついにって……あんたまさか、そういうシチュエーションを期待して……」 「その通り。リアルでギャルゲみたいなシチュを拝めると思って、ワクテカしながらつかさのこと探してたんだよ」 ギャルゲー?シチュー?何のことだろう? 「はぁ……で、ここに辿り着いたと」 「そ。お弁当イベントの定番と言えばやっぱり屋上だからね。で、実際に来てみたら、ギャルゲを遥かに超える光景が!…いやー、まさかかがみがこんなに…ちっちゃく…ねぇ」 「こなちゃん……さっきからあまり驚いてないみたいだけど……もしかしてずっと見てたの?」 「ん。そだよー。草葉の陰からじっくり拝見させていただきました」 「待て。言葉の使い方を間違えてるわよ。っていうかいつから居たのよ」 「うーん……つかさが『あーん』てする辺りからかな」 「……ッッ!」 「本当に仲のよろしいことで」 「あ、あんたねぇ……もう少し驚くとか、心配するとか、そういう反応はないわけ?人の身体が突然小さくなったのよ? 朝から私とつかさがどれだけ大変だったか……」 「びっくりした!かがみ、大丈夫?」 「わざとらし過ぎるだろ、あんたは!」 「あのー……かがみさん」 しゃがみ込んだまま固まっていたゆきちゃんがやっと口を開いた。 良かった、気絶はしていなかったみたい。 「あの、本当にかがみさんなんですか?未だに信じられないのですが……お身体、大丈夫ですか?」 「うーん……小さくなった以外は特に何とも……ちゃんとご飯も食べられるし……みゆき、心配してくれてありがとね」 「あ、いえ……」 ゆきちゃんがなぜか照れ笑い。 「ほら、みゆきを御覧なさいよ。みゆきみたいな反応が普通でしょ。あんたももう少し……」 「かーがみっ!」 「うわっ!?」 こなちゃんが突然、指でお姉ちゃんの足をちょんと払うと、お姉ちゃんはそのままこなちゃんの手のひらの上に倒れた。 「かがみ、軽っ!」 「ちょっ、乱暴すな!」 こなちゃんはお姉ちゃんを手のひらに乗せたまま立ち上がると、お姉ちゃんのワンピースをパッとめくって…… 「なんだ、下着も着けてるのか」 「期待に添えなくて悪かったわね。いいから早く降ろしなさいよ」 「つれないなー。せっかく元に戻してあげようと思ったのに」 「えっ……?」 こなちゃん、今なんて言ったの? 元に戻す?こなちゃん、お姉ちゃんを元に戻す方法を知ってるの? こなちゃんは、ポケットに手を入れて何かを探し当てたかと思うと、その手を頭上に突き上げて…… 「テッテケテッテテー、ビッグライトー!」 「似てねぇ!」 こなちゃんの手には……何も握られていなかった。 がっくし。 「期待して損したわ、まったく。期待してなかったけど」 「かがみ、言ってることおかしいよ?」 「…うるさい」 こなちゃんは、可愛い小動物を見るような視線でお姉ちゃんを見つめながら、指先でお姉ちゃんの頭をなでなでする。 お姉ちゃんは、相変わらずムスッとした表情のまま。 すると、こなちゃんの表情がニマッとなって…… 「つかさ……今日、かがみお持ち帰りしてもいい?」 「だ、ダメ!お姉ちゃんは私と一緒に家に帰るの!だから邪魔しないで!」 「うおっ!?つかさ、なんか怖いよ。どうしたの?」 ああ、私、何言ってるんだろう。 もう少し落ち着かなきゃ。 「お持ち帰りはダメかー。じゃあ、ここで思う存分……」 「うわっ!なんで頭に乗せるのよ!危ないっての!」 こなちゃんは手のひらに乗ったお姉ちゃんをさらに持ち上げると、お姉ちゃんを頭の上にちょこんと置いた。 どうしよう、すごく嫌な予感がする。 「見て見てー。アホ毛とかがみの背比べ。どっちが大きいかなー」 「どっちでもいいわよそんなの!いいから早くおろし……てあっ!」 「あっ!」 「あっ!」 …嫌な予感が的中した。 お姉ちゃんがズルッと足をすべらせてバランスを崩してこなちゃんのアホ毛をギュッと掴んだけど 掴んでいた手からアホ毛がスルッと抜けてそのままお姉ちゃんが……!! 落ちた。 そして次の瞬間ゆきちゃんが勢いよく両手を前に伸ばしたかと思うと空中でお姉ちゃんをキャッチして そのまま勢いよく地面に倒れこんだ……!! …一瞬の出来事だった。 「お姉ちゃん!ゆきちゃん!だだだだ大丈夫!?」 「はぁはぁ……心臓が止まるかと思ったわ……ってみゆき!大丈夫!?」 …… しばらくしてから、うつ伏せの状態で倒れていたゆきちゃんがむくっと起き上がってその場に正座した。 手のひらにお姉ちゃんを乗せたまま。 ゆきちゃんは無事だったみたいだけど、何か様子がおかしい。 何かパーツが足りないような…? 「ハッ!眼鏡!?眼鏡はどこですかーっ!?」 「みゆき……非常に残念なことに眼鏡は……」 …ゆきちゃんの眼鏡は、見るも無残な姿で地面に横たわっていた。 でも、お姉ちゃんとゆきちゃんは無事だった。良かった。本当に良かった。 「かがみさん、お怪我はありませんか?」 「平気よ。おかげで助かったわ。本当にありがとう、みゆき。…眼鏡は残念だったけど」 「いえ。かがみさんの為なら、こんな……万円程度の眼鏡、いくら犠牲になろうとも構いません」 「みゆき……」 見つめ合うお姉ちゃんとゆきちゃん。 これから、何が起きるんだろう…… 「かがみさん……あの……」 「……何?」 「すごく……小さいです……わたし……近眼で良かったです」 「は?……あ、うん。そうね。良かったわね、みゆき」 近眼で良かったね、ゆきちゃん。…? 「かがみゴメンッ。さすがに今のは危なかったね。それにしても、みゆきさんグッジョブ!」 お姉ちゃんは、こなちゃんの言葉には何も応えずに、こなちゃんから逃げるように走り出した。 お姉ちゃん、とうとう怒っちゃったのかな…? するとお姉ちゃんは、私の背後に回りこんで私の制服をギュッと掴んだ。 …キタ。 「お姉ちゃん?」 お姉ちゃんは黙ったまま、こなちゃんの姿をじっと……怒ったような表情で…… …あれ、なんか違う。 いつも強気なはずのお姉ちゃんが、怯えてる…? こなちゃんの方は、少し静かになったみたいだけど、相変わらずお姉ちゃんの姿をジーッと、物欲しそうな顔で…… …ってこなちゃん、その顔はまずいよ……お姉ちゃん、余計に怖がっちゃうよ…… 「お姉ちゃん、大丈夫だよ」 私はそう言ってお姉ちゃんの背中にそっと手を添える。 すると今度は、何かを訴えかけるような目で私の顔を見上げてくる。 うぅ、どうしよう…… 私には、お姉ちゃんみたいにこなちゃんを……なんて…… …決めた。 ここから逃げよう。 で、家に帰ろう。 「お姉ちゃんっ!ポケット!」 「え?…あ、うん」 慌ててお姉ちゃんをポケットの中に導き入れる。 そして私は立ち上がり、フェンスの前に立って、スーッと深く息を吸い…… 「こなちゃん!校門に小神あきらちゃんがいるよ!」 「な、なんですとぉぉっ!?」 ビュンッ!とこなちゃんが飛んできてフェンスをガシッと掴んだ。 えっ?うそ?計画通り? …よ、よし、こなちゃんには悪いけど、気を取られている隙に…そーっと…一歩後ろに下がって…… 「お姉ちゃん、ちょっと揺れるけど我慢してね」 小声でお姉ちゃんにそう呼びかけて、ゆきちゃんには両手で『ゴメンね』の合図を送ってから…… 私は走った。できるだけ小走りで。 「ねぇ、あきらどこにもいないよ?」 「泉さん、ほら、あそこです」 遠くでこなちゃんとゆきちゃんのそんなやりとりが聞こえた。 ゆきちゃん、ありがとう。 私、今日のゆきちゃんの活躍、一生忘れないよ。 戸惑いの気持ちもまだあるけど…… こんな私じゃ頼りないかもしれないけど…… 今は、自分にできることを精一杯やらなくちゃ。 お姉ちゃんを安心させるために。 お姉ちゃんを守るために。 コメントフォーム 名前 コメント うぁあぁあぁ!GJ!みゆきも、かがみが好きなのかな?かな? -- 名無しさん (2010-10-24 12 34 12) みゆきの眼鏡はいくらだったんだろう? -- 名無しさん (2010-10-09 12 01 51) つ、続き見てーッ!!!!! -- フウリ (2008-03-29 17 01 43) 素晴らしき姉妹愛!GJ! 感動しました! -- 名無しさん (2007-10-23 01 08 54)
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256 軽音部員♪ [sage] こんにちは、平沢憂です。今日は遂にお姉ちゃんの結婚式。来て欲しかった待望の日ですが、お姉ちゃんが巣立っていくことを考えると来て欲しくなかったような気もしてやや複雑です。 結婚式が始まるまでまだ時間があるので用意をしているお姉ちゃんと少しお話しをする事にしました。 「お姉ちゃん入るよ…。」ドアをノックして入るとウェディング姿のお姉ちゃん。 ウェディング姿のお姉ちゃんはドレスを選ぶときに何度か見ましたが今日見るとやはり違います。なんていうかとても綺麗です。 「あ…憂。準備はいいの?」 「うん…。だいたい終わったし、こっちのは直ぐだから。」 「さすが憂ですな。そういやみんな来てた?」 「うん。お母さんも和ちゃんも、軽音部のみんなも。」 「そりゃ良かった。…そういやお父さんは?」 「…来ないと思ってたけど観念して来たみたい。記帳してたし。」 「お父さん始めは大反対してたのにやっぱり娘の晴れの日となると来てくれるんだね。」 「なんだかんだでお父さん娘が大好きだもんね。」 2010/12/10(金) 07 47 14 ID 3xHsId9A0 [1/5] 257 軽音部員♪ [sage] 「う~、みんないるとなると緊張してきた。学園祭でも緊張しなかったのに…。」 「大丈夫。学園祭やりきったお姉ちゃんなら大丈夫だよ。」 「憂にそう言って貰うと安心するよー。」ギュッ 緊張すると言いながらお姉ちゃんはやっぱり平常運転のようです。 「そういえば学園祭の時に歌った曲覚えてる?」 「勿論。忘れる訳ないよ。ごはんはおかずでしょ?あれは衝撃だった。」 「そっちじゃなくて…。」 「大丈夫だよちゃんと覚えてるよ、U Iは。あの後何度も歌ってもらったし。」 「今でもたまに歌うしね♪…よく考えたら私、凄いことしたよね。妹への曲を最後の文化祭で歌うんだもん…。」 「しばらくはクラスメートにからかわれたりして大変だったんだから。」 「でもいい曲だったでしょ?」 「うん。すごい嬉しかった。私お姉ちゃんになにもしてあげられなかったのにこんなにも想われてるんだって思って。」 「ううん、憂からはいっぱいしてもらったしいっぱい貰ったんだよ。憂がいてくれたから私の今があるんだし…。」 「私がお姉ちゃんに貰ってばっかだったよ。」 「憂!!」 「お姉ちゃん!!」 「私達いい姉妹だったよね?」 「うん、最高の姉妹だよ!!」 と、ハグをしたところで抑えきれず涙が溢れてお互いひどい顔に…。そっくりの姉妹と言われてたけどこんなところもそっくりです。 お姉ちゃんとはいつまでもそのままでいたかったのですが、新婦さんを涙で汚れた顔のまま結婚式に出すわけにもいかないので退出する事にしました。式の開始まで30分ぐらい。自分の方の準備にもちょうどいい時間です。 さっきあんな事があったせいか待合室に向かう僅かな時間に今までにあったお姉ちゃんとの記憶が思い出されます。ザリガニにクリスマスに学園祭、お正月に毎年の誕生日に…。お姉ちゃんと過ごした毎日がどれも素晴らしい日として思い出されます。難しい事はもう考えられません。お姉ちゃんと過ごす日々はやっぱり最高でした。 2010/12/10(金) 07 49 18 ID 3xHsId9A0 [2/5] 258 軽音部員♪ [sage] 30分の間にメイクを整え、何より気持ちを落ち着かせます。やっぱり私も緊張します。なにも考えられず目の前がぐるぐるして、お茶を多めに飲んでしまったり部屋の中を歩き回ったり…。 そうこうしてるうちに式の開始です。お姉ちゃんと入場する為に待合室から舞台の袖へ。 本当は夫の方が先に行ったりなんだりするそうですが、お姉ちゃんたっての希望で二人の入場は同時です。ヴァージンロードを歩くお姉ちゃん。本当に綺麗です。 歩みを終えて神父さんの下に。二人ともキリスト教徒でもないのに何でなんでしょうね。結婚式は神に愛を誓うわけだから別に神父さんでなくてもお坊さんでもいいはずです。 「憂?憂?」 緊張のあまりどうでもいいことを考えてしまってたようです。上の空だったようでお姉ちゃんが少し心配していました。宣誓はもう始まっていました。お姉ちゃんの分はもう済んだみたいです。 神父さんが続きの言葉を述べていきます。 2010/12/10(金) 07 51 57 ID 3xHsId9A0 [3/5] 259 軽音部員♪ [sage] 「…平沢憂は平沢唯と結婚し永遠の愛を育む事を誓いますか?」 「…誓います!!」 さっき上の空だったぶん力を込めて…ちょっぴり力強かったみたいです。 「…では誓いのキスを…。」 お姉ちゃんとキスをして…あとの事はもう緊張しすぎて覚えていません。 おしまい 2010/12/10(金) 07 59 45 ID 3xHsId9A0 [4/5] 感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る ムギに任せたら子供もなんなく産まれそう な気がする -- (名無しさん) 2011-04-30 08 07 20 行きたかったな この結婚式 -- (名無しさん) 2011-01-29 17 56 24 よっしゃ! …俺はとガッツポーズをした -- (名無しさん) 2011-01-22 01 10 44 解りやすく言うなら「姉妹」という関係が消滅してその代わりに「夫婦」という関係になったということでしょうかね? -- (トリプティク) 2010-12-12 02 45 21 まさかの予想斜め上だったとは・・・ いや、うれしい誤算だよ!! -- (唯憂は素晴らしいとは思わんかね?) 2010-12-11 21 15 59